2023-01-01から1年間の記事一覧

十月

巡礼の焼きおにぎりを霧の中 秋夕焼ビル街のマラソンの流れ コロナ過や袋の中の祭笛 入道雲端からちぎる秋の風 寝転びて蒼空の蒼と宇宙飛行士 パンの耳子雀と分け啄木忌 當の月前をよぎるは雁の列 香保里 竿になり鉤になり中には鳴かぬものも居て 美紗 雁渡…

六月

ねぐらへ発つ雀鈴生り庭楓 ほうたるを追い掛け掛けて黄泉の国 ゆっくりと地球を直足に蝸牛 夏歌舞伎宙吊りもあり宇宙観 香保里 崖の上海に向かいて野菊かな 美紗 瀬戸の海白波立ちて春の風 ひでみ 朔六月第六天魔王の骸なし 梅雨ジメジメ今日は避難指示もあ…

五月

母の日は母偲ふて泣けテロリスト 桜流しに遊び心や傘さして 春霞手を伸ばせばその中に 花びらの莚の上の舟を漕ぐ 丸一日の梅雨音吾れは料理かな 男あり胸ポケットに白詰草 香保里 轉りか語り合ふてか風の声 美紗 八十路にて友と花見やありがたき ひでみ 春飛…

三月

透天やまくれないの牡丹の芽 寒の餅言い分膨れてパンクせり 豆撒も潜んで二月も逃げにけり 戸を操れば子雀信じて待っている 早梅や業平扇に二・三輪 冬椿白く灯りて水鏡 香保里 ホホケキョと幼い声で競い啼く 美紗 瀬戸の海光浴で断崖の梅数本 ひでみ 桜鯛伝…

二月

コロナ、イフルエンザやれ今日もやり過ごす 菜の花に蝶待ち見える平和かな 菜の花やふるさと捨てて男子(おのこ)発つ 立秋や風の又三郎の清姿かな 耳をすませば天の川音春隣 香保里 初詣天にきりりと日章旗 庭熟柿史記読み解すiPad 雀の子集いて弾む地動説 青…