十月

 

巡礼の焼きおにぎりを霧の中

秋夕焼ビル街のマラソンの流れ

コロナ過や袋の中の祭笛

入道雲端からちぎる秋の風

寝転びて蒼空の蒼と宇宙飛行士

パンの耳子雀と分け啄木忌

當の月前をよぎるは雁の列

香保里

 

竿になり鉤になり中には鳴かぬものも居て

美紗

 

雁渡るあの先頭はリーダーか

ひでみ

 

秋深し茨垣どもも雨読して

睦月二日キンカン頭の運命哉

秋熱し低頭陛下の文語体

熱田津の夏の空から九百屯

益荒男が入道雲向け飛び立てり

夏草や敗れし軛外さねば

嘴を挟んで小雀(こがら)熱り立つ

青斑