三月

 

透天やまくれないの牡丹の芽

寒の餅言い分膨れてパンクせり

豆撒も潜んで二月も逃げにけり

戸を操れば子雀信じて待っている

早梅や業平扇に二・三輪

冬椿白く灯りて水鏡

香保里

 

ホホケキョと幼い声で競い啼く

美紗

 

瀬戸の海光浴で断崖の梅数本

ひでみ

 

桜鯛伝馬船にはフグとベラ

軒端には桜花愛でたる猫涼と

桜花散る史実は吾子に任せたり

青斑